ヒルクライムレースに出る前に『上り走行練習』以外でやっておいた方がいい事、慣れておいた方がいいと思われる事を今回は書いていきます。
※実際に今までレース中、練習中に起こった事を元に書いていきます。
○スタート、ストップの練習
シューズを固定するビンディングペダルの人は必ず慣れておいて下さい。
速くスタートしようとして焦って、キャッチミス(シューズをペダルにはめられず)してシューズが滑って転倒。は起こります。
また、ストップ(急停止)時でも焦らずシューズを外せるように。
走行中、前の人がボトルを車体に戻す時にミスってボトルを落とし、拾おうとして急停止、なんてことも。(その地面に落ちたボトルを自分が踏めば前輪がスカッと滑っておそらく落車します)
いきなり目の前の人が突然落車とかホントにあるんで…
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○走りながら(漕ぎながら)飲み物、食べ物を飲食する練習
ヒルクライムレースだと坂道を走行している低速で飲食が必要になります。平坦だとペダリングを止めても良いですが、上り坂だと低速走行になっている所にさらに片手走行となる為、フラフラ蛇行になりやすく危険です。
車体からボトルを取る時は下を見なくても取れる位には慣れた方がいいです。コースの状況が解るなら、坂の傾斜の緩い所で補給するというのも手段の一つです。
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○下り走行の練習
ヒルクライムレースはゴールした後は自走で下山となりますが、レーススタッフの方が先導をして何十人かのグループとなって数分おきとかに分かれて下山していきます。
はっきり最初に書いておきます。下山はレースではないので、スピードを出す必要は全くありません。無理に前の人についていこうとは絶対に思わないで下さい。
これは実際にそうなのですが、ほとんどのレースで下山時に落車事故が起こっているそうです。
転倒は無くても段差でのリム打ちパンク、ブレーキ熱でのチューブバースト、ブレーキ熱でのカーボンホイールの破損、この3つのどれかはほぼ毎回自分は見ています。
慣れていない最初は出来るだけグループの後方で下山した方がいいかと思います。(後ろから煽られる感が少ない為、比較的落ち着いて下れる。それでも一番後方で下っててもゆっくり過ぎると次のグループの先頭が後ろから来るけど)
グループ分けの時に一番コースの左端で待機して、自分が前の方に居ても後の人に「先にどうぞ」と伝え、先に行ってもらう。
走り始めたら無理にペダルを漕ぐ必要はありません。下り坂なのでほとんどブレーキを掛けっぱなしになります。※矛盾するような話ですが、ブレーキ掛けっぱなしで下っていて、リムが高熱になり、チューブのバーストの原因になります。
ずっと掛けっぱなしにはせず、先の見通せるような余裕がある時はブレーキを放し冷やすように。
下る前に先導員から言われると思いますが、ブレーキを掛けて続けて疲れたり、指が痺れてきたような時は無理をせず、コースの左端に寄って止まって休みましょう。※ハンドサインが出せれば良いですが、手を放すと危なそうなときは周りの人に『左に寄って止まりまーす!』と大声で伝えて下さい。出来れば後方を確認しながら徐々に左側に寄りましょう。※最初から左端を走るというのもありますが、路面の端には砂、ガラス等が多く溜まっていることが有り、スリップ、パンクの原因になりますし、人が多いと走行ラインの変更がしにくいのであまりお勧めしません。
実際の下山時では複数回先導員が停車して途中で休憩するかと思います。そのときもハンドサインを出すか、声を出して周りの人にも停車するのが解るように。
前を見ず、下を見て走っていると追突します!ホントに。
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下山の時はディスクブレーキが欲しいねぇ。。。残念ながらレース中(上ってる時)はブレーキはほとんど使わないので完全に(ホイールからして)重量物になってしまうけど…
本当の話としてヒルクライムレースでのディスク車は少ないと思います。各社ディスクモデルを出してきたり、軽量車体も増えてきているので徐々に増えていくとは思いますが、
(ここだけで判断できるものではないですが、(とはいえツール・ド・美ヶ原は後半に下り区間が有ってレースの時だと70㎞/hとか出ますが))ツール・ド・美ヶ原2018のチャンピオンクラスでは(確か)約200名居て、ディスク車はおそらく1台か2台。(自分のクラスのスタート時間が後ろだったので)他のクラスのスタートを自分のスタート時間ギリギリまで見てたり、レース中に抜いたり抜かれたりした人の車体を見てたが出場者1700人居てディスクロードは10~15台居るか居ないか位だった。マウンテンサイクリング In 乗鞍もディスクロード車率はおそらく1%位だと思う。(4000人居て40台位とか)
それでも自分は次の車体はディスクにしようかと検討中だったり…自分はガチじゃないので。
『山の頂上まで上ったらゴール』のヒルクライムレースって方が特殊なのかもしれないけど、アップダウンがあるロードレースやロングライド(速さを競うわけでなくて、疲労を溜めずに楽に下れるって事で)ではディスクブレーキの方が良いとも思う…
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曲がる時はコーナーの内側のペダルは上(上死点)にする。これはペダルが地面に接触しての落車を防ぐため。
ツール・ド・フランスに出てる選手ですらコーナーで焦ってペダルを地面に接触させて落車はたまにあります。(ティボー・ピノやロマン・バルデとかがやらかしてる…)
また、9や3時方向の横にしていると、ハンドルを切った時に前輪にシューズが当たり落車の原因になります。(ある程度速度が出ていればつま先に当たるまでハンドル切って曲がることはないかもしれませんが…)
走行に慣れてきたら横にしていた方が段差をバニーホップ(ジャンプ)しやすいかもですが、ジャンプしないで済むならしない方が良いです。リムによろしくない。。。
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○整備の方の話ですが、正しいタイヤへの空気の入れ方とチューブ交換の技術を身につけましょう
普段ルーズなのに「レースで走るのだからタイヤの空気圧は高圧で!」と最初から一気に強いポンピングで空気を入れると、バルブ口付近でチューブが噛みやすくなりバーストします。入れ始めはあまり力を入れずポンピングしましょう。
レーススタート前の朝の集合待機時にほぼ必ずバーストさせる人が居ます
『ゼッケン○○番の方~、タイヤがパンクしているようなので御確認をお願いします~』と恥ずかしいアナウンスをされますので。
その際にもスタートまでにチューブ交換が出来なければ出走できませんから!
※集合場所にはピットサービスが大抵あって修理してくれるかもですが、無料かどうかは不明。また、バーストした時の衝撃でタイヤが裂けたり、車輪に振れが出たり、バーストした衝撃でリムが変形することも有り、リム即死なんてことも。
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文字ばかりの記事ですが、自分一人で転倒したからって済む話でもありませんし、他人を巻き込んでだと尚更です。
場合によってはレースそのものが中止、来年は開催せず。なんて事もありえますので、『エントリー費を払えば、競技ライセンスなど持っていなくても手軽に参加できる。』確かにそうなのですが、ルールやマナーを知らず、守らずで走っていい訳ではありません。
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次回は 『レース前日(受付)について』 でいきます
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オマケ
昨日の夜から大雨、強風注意報が出ていたが、『今日の昼からは天気は回復方向に』の予報だったので、今日は午後が休みだったので雨が止んだので『ウエットコンディションだから、じゃあシクロクロス練だ』と、出撃。
…走り出して10分位したらまたザーザー降りになってきやがった…
いつもの練習場所に到着したが、大きな水溜まりで池になってる・・・
池の隣に空缶を置いていつもの8の字走行を。
今週末はいよいよヒルクライムレースの本番なので、コケて打ち身とかしないように速く走るではなく、バランス走行の方向で走行練習。
走り出して数分もしないうちに雨は止んだ!
さすがにこの路面コンディションなので、普通に8の字走行をしようにも少しは前後荷重、ペダルの踏む強さ等を考えて走らないと、ホイルスピンしたり、フロントが曲がらずまともに回れない。
シクロ練も泥走行も久々だったので、疲れない程度に練習になった。
スリックタイヤからダートタイヤに履き替えて本来走る場所に帰ってきたTCX。
今年の春のプロロードレースではマチュー・ファンデルプールの快走があったりで、トレーニングとしてのシクロクロス、レースとしてのシクロクロスってのが改めて今冬注目されるかも…なんて思ってる。