『ヒルクライムレースに出るなら~』で書き始めましたが、一応今回で最後です。
  今回は『レース走行中~ゴール~下山』です。(下山で終わりじゃないよ)
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 レースは基本的に道路を車などの一般車を通行止め規制にして行われますが、左側通行が原則です。右側車線は運営車両、サポートカー、緊急車両、報道車両、下山の自転車が走る為走行禁止です。右側走行をしていると審判員から「ゼッケン○○番の人、左側を走って」と注意されますので従わないと失格処分です。
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○走り慣れていない時は、左端の白線から1m位のほぼ車線の中央のところを走るのが良いかと。
 
 一番左端側だとレース直前に雨が降った場合に路面のゴミが溜まりやすく、パンクや木の枝をホイールに巻き込むリスクが有ります。


 長野のヒルクライムレースのコースは冬は路面凍結するため、ひび割れが発生していることがよくあります。また、車が通り轍となって凹んでいる所も雨の後だと砂やガラスが溜まりやすく、アスファルト剥がれの穴が有ったりします。


 そのため左車線の中央辺りのラインが比較的安全かと。(※車線中央にマンホールのフタが有る時もあるので気を抜かないように!)


 ※センターライン寄りはスピードが速い人が走るので居ると危険。怒鳴られる場合が有ります。
○坂がキツイ時でも蛇行走行はしないこと。「危ない!」と怒鳴られること有り。
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 ※前の人を追い抜く時は「右側から追い抜く」という原則もあります。
追い抜くときに「右(から)、行きます!」など前の人に声をかけてから抜くのもマナーです。逆に追い抜かれる時は急に進路変更をすると接触事故につながるので、出来れば横や後ろを確認してから左に寄れるように走行して下さい。(進路変更せずにそのまま真っすぐ走っていれば抜いていく人が右側から抜いて行ってくれるはずですが…。)※センターライン寄りを走っていると左側から抜かれる時もあるので注意!
 同じペースで走っている人が前後にいる場合は追い抜くたびに声をかける必要は有りませんが、接触しないように存分にバトって下さい。
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 ○仲間と横に広がって並走するのはダメですし、縦につながる通称「トレイン走行」ですが、某マンガやテレビ番組で「風の抵抗が減るので、近ければ近いほど効果が高く、走行スピードが上がる」などと言っていますが、タイヤ同士が接触して集団落車の原因になるので、慣れていないと非常に危険なので超接近はお勧めしません。もし、前の人が急停止や落車しても避けられる間隔は開けた方が安全です。 
 
 真面目な話、ウチら一般人がヒルクライムレースでは走ってても平均時速13㎞/hとかなので向かい風が超強い時とかでなければトレイン走行の恩恵はあまり期待できません。無理に人のペースに着いていくより自分のペースで走ってる方が気疲れしません。
 
 走り慣れてくると風の抵抗とか関係無しに『あの人の後ろに着いて引っ張ってってもらおうー』ってなりますが…
 
 誰かの後ろに着いての走行の時は、前に走っている人が『前(走るの)、代わって』の合図、肘をクイッと動かしたり、片手運転になって明らかに『先、行って』のサインを出したり、後ろ見て何か言ってる時(風切り音で聞こえない時も多いですが『回って』とか言ってるはずです)は前を走るのを代わりましょう。(ローテーションとか回って走るってやつです)前を走っている人が右側に避けるのでその時に前に出ましょう。
 引く時間(距離)はもう、はっきり言ってその時次第ですが、『じゃあ○○秒交代でー』とか『○○メートル交代でー』と言ったり言われたりだったり、無言で適当だったり様々です。(サイコンで引いてる時間や距離見れればそれチラ見して回る。自分が先頭の時はやたら長く引かされてる気分にはなる…)
 ローテ走行は慣れてなければ『???』なので実戦で覚えるか、練習会みたいなのやチームなどに参加して覚えるしかないでしょうか。
 
 …とはいっても、最初は自分が坂を上るのに必死で、前の人のサインとか見たり、交代を促されても前に出る余裕が無いってのが普通なので… 
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○レース中、どうしても体調不良、メカトラブルなどでスロー走行、走行出来ず停車する時は周りの人に「左寄ります」など注意を促して左端へ。
 ※停まった時でもすぐにはヘルメットは外さないで下さい。競技中にヘルメットを外すと即失格を宣告される可能性が有ります。
 リタイヤする場合は停車すれば近くの審判員が来てくれるのでリタイヤを進言し、審判員の指示に従って下さい。メカトラブルの場合はサポートカーを呼んでくれて修理してもらえ、再走行できるかもしれません。
 リタイヤはしないが自転車を押して上っている場合は、残念ながら制限時間により足切り(強制リタイヤ)になるかもしれません。その場合はコースオフィシャルの方の指示に従って下さい。
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 レース途中にCP(チェックポイント)があり、給水やトイレが使用できたりします。
 給水はレーススタッフの方がマラソンのように紙コップを手渡しで渡してくれますが、水を受け取るために急減速、急車線変更、片手運転でのふらつき等での落車が非常に多いです。
 自分は落車に巻き込まれるのは勘弁なので水が不要な時は給水所には近寄りません…
 給水は右側だったり左側だったりまちまちなのでどちらの手でも取れるように。飲んだ後の紙コップは『こっちに投げてー』と人の居ない方に投げるように指示されます。落車の原因になるので下(走行ライン)には落とさないように。

『マウンテンサイクリング IN 乗鞍』の三本滝ゲート前のCP。左側は陣太鼓での応援


 また、キャッチが面倒な時は体を冷やすために『その紙コップの水をぶっかけてー』ってスタッフに言えば喜んで容赦なくかけてくれます。(スタッフの多い乗鞍で頼んだら3人位にかけられた)
 また、CPには通過制限時間が設けられている場合があり、時間内に通過できないと足切り(強制リタイヤ)で回収車に捕まります…
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○ゴール~下山

 ゴールは終盤で体力、気力がキツイところですが、過度に左右に車線変更するような走行は禁止です。特に『マウンテンサイクリング IN 乗鞍』、『ヒルクライム佐久』などはゴール直前のコース幅が狭いのでふらつき走行をしないように。
 また、「ハンドルから両手を離して走行してはいけない」と規定されているレースも有ります。(要は両手離しのガッツポーズ走行は転倒、接触の可能性が有り、危ないので禁止。ということ)
 
 『マウンテンサイクリング IN 乗鞍』のゴール地点(岐阜と長野の県境の所)。右側車線は下山する人用に仕切られている

 ゴールラインを通過してもすぐ停車せずにスロー走行のまま進んで下さい。直ぐ停まると後続車に追突される危険があります。案内係の人がいるので誘導に従い、待機所へ移動します。
 自転車を停めて一息ついたらスタート前に預けた荷物を受け取りに行きます。
「ゼッケン○○です」と荷物係の人に言うと、荷物を探してくれるので受け取って体が冷える前に汗を拭いたり、防寒着を着るなどして下さい。
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 下山は早くゴールした人達から順次グループとなり下山先導員の後について下山します。(ヒルクライム佐久はコース幅の関係から全員ゴールしてから下山。早くゴールしていると3時間以上頂上で待つ場合が有ります。防寒着が無いと多分風邪をひきます。)
 
 これは『ツール・ド・美ヶ原』のゴール地点の様子


 繰り返し書きますが
●下山の時の方が事故が発生しやすいので気を付けて下さい
○絶対に速く走ろうとしない事
○下山前に(ブレーキ熱でチューブ内の空気が膨張するのを緩和するために)タイヤの空気を少し抜いて空気圧を落としている人がいますが落としすぎない事。
特にクリンチャーの人。空気を抜きすぎか、ブレーキ握ったまま段差に行っての前荷重過ぎてか下山走行時にリム打ちパンクする人が必ずいます。

○仲間と並走は危険ですので横に広がらないように、また、会話に夢中になって前方確認をおろそかにしないように。
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○下山~レース終了

 下山してスタート地点まで戻ってくると、受付の近くで「レース完走 証明書」を発行してくれます。(すぐ発行できない場合もあります)
 また、ある程度のタイムで走れればリザルト(レース結果)が貼りだされている事があるので、自分の成績、クラス何位で走行タイムがどの位だったか。が確認できます。最近はQRコードを読み取ってサイトにレース速報を出してる場合が多いです。※このQRコードはレース当日の天候状況などでレースの開催可否や天候不順の為コース短縮になる等の連絡ツールにもなっているので、携帯に入れられるなら受付の時に読み込んでおきましょう。
 その後は表彰式、閉会式となり(下山したら帰る準備をしてすぐに帰宅しても可)レース終了となります。
 車での帰宅の場合は居眠り運転をしないように…家に帰るまでがレースです。
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 帰宅後は雨のレースの走行後ならシートポストを外すなどしてひっくり返して水抜きを。ボトムブラケット付近に水が溜まったりするとBB部の錆の原因になります。リムの中に水が溜まっている場合も有るので、タイヤ、チューブを一度外して乾かした方が劣化が防げます。
 雨のレースでなくても走行後のメンテナンスは当然必要です。

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 メンテといえば、栂池の本番前の最後の練習をして、いつもの本番前の金曜日のチェーン、スプロケのメンテを。
(金曜日はほぼ昼からは休みなので。仕事が無いと分れば朝から一応休み) 本番用のチェーンに交換して約2週間でこの位汚れる






 2週間の時間でも洗浄液は黒くなる


 で、清掃後。






 これで走れれば明日の朝軽く走って車体は準備完了ー。
 その後に不要な物(ボトルケージ1個やツールケース等)を外して、レース当日はローラー台でアップするので後輪は練習用ホイールに戻してで完全に終了。


 …なんか日曜日の気温は35℃いくかも。って言うじゃないっすか…まだ5月だぞ…